古民家リフォーム 敷居が高い

古い家と最近の家との違いには、時代の変化によっていくつも異なる部分がありますが、
分かりやすいもののひとつに、敷居の高さの問題があります。

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近頃の住宅では、高齢の方や障害をもつ方々のために
敷居を無くし、部屋と部屋の間の段差が無くなってきています。
いわゆるバリアフリーと呼ばれる考え方です。

段差があると、当然車いすのような車輪を通らせることがしにくくなりますし、
お年寄りが躓いて転倒するなどの、家の中の事故を誘発しかねません。
また、健常な人でも、家の中の敷居で足の小指を思いっきり強打した…なんていう
痛い思い出を持ってらっしゃる方も少なくはないでしょう。

住宅のバリアフリー化は国もエコポイントや減税措置のシステムとしてその推進をしており、
新築やリフォームを済ませた家からは、段差が無くなってきていると言えます。

ところで、「敷居が高い」という慣用句は誤った用法で用いられることの多い言葉なんだとか。
本来の意味は、<義理を欠くことやご迷惑をおかけするようなことがあって、その家に行きにくいという意味> なんだそう。
良く使われる、分不相応という意味合いでの用法は間違っているんですね。

しかし、私が築200年ほどの街道沿いの保存された旧家を見学した際、身分の高い人が宿泊したときに使った部屋は
他の部屋よりも床が一段高い位置にありました。
まさに敷居が高い状況。
それだけ見ると、まんざら間違っている訳でもないような気もしますね。

しかし、現代の暮らしの中には「身分」という考え方からは縁遠くなっていますし、
段差があった方が良いということは、ほとんど無くなってきています。
さらに古民家の場合には、床の段差が一般の住宅よりもはるかに大きくなっていることが多いですから
そこをいかに楽に昇り降りできるようにするかを考えておくことは大変重要です。
古民家のリフォームを考えるときには、ちょっとその敷居を下げて(あえて間違った用法です)
たくさんの人が集まる素敵な住まいを造られてみてはいかがでしょうか。

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