傾いた古民家のリフォーム

築100年近い木造の建物、いわゆる古民家と呼ばれる住宅については
歴史的価値も含めて大切に残したいと思う方は多くいらっしゃいます。
今では入手が難しくなった、それこそ樹齢何十年という木から取り出した
大きな梁や柱が使われていたりしますから、そこに価値を感じる方にとっては
他で得難い貴重な財産にもなっているのです。

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ところが、そこには大きな問題を抱えているケースがしばしば見られます。
それは、柱や梁がしっかりしていたとしても、
家全体が傾いてしまっている、という場合です。
100年近い家の歴史の中では、当然大なり小なりの地震や
地面の揺れといったものは、建物自身が経験しています。
もちろん、家の木材や基礎(代わりに石が置かれていたりしますが)の劣化やズレなど
によることもあるでしょうし、木そのものに癖が出てくることも考えられます。

そういった家のリフォームを考えるときに、多くの場合には
金物や耐力壁などを設けて、家全体がそれ以上傾かないように固定していく
という方法がとられます。
もちろん、床が不陸だらけで水平でないような部分は床組みをやり替えることで
十分修正はできますし、壁も柱を見せない仕上げにするのであれば、
新しく内側に垂直の壁を起こして来ることで床・壁・天井がまっすぐな家にすることはできるのです。
ただし、古民家としての良さは柱や梁の大きな部材をわざと見せることによって
引き立つケースは多いですから、前述のように床も壁も天井も、
すべておおってしまうやり方では、本来の良さが失われてしまう可能性があります。
そう、こういったバランスが古民家リフォームには非常に大切だと言えるでしょう。

古民家のリフォームについて経験のない、あるいは少ない業者の場合には
難しい部分は何でもかんでも覆って隠してしまおうとします。
本当の良さを引き出すことはなかなか難しいのです。

また、傾きそのものを修正してしまうという方法もあります。
柱をジャッキアップして固定し、建物そのものを引っ張ったり押したりして調整していきます。
もちろん、大がかりな工事になることは容易に想像できますし、
作業のために屋根を軽くしたり、引き起こすことで土壁にひび割れや剥離が起こったりと、
工事範囲はかなり増えてきます。
ただ、それでもしっかり家を直しておきたいという方には、
多少コストを掛けてでも・・・という思いがあるのは事実です。
あとは、そういった工事もできる技術のある業者なのかどうか、をしっかり確かめる必要があります。

古民家のリフォームは、より一層、リフォーム業者としての専門性が問われる分野でもあります。
ぜひ、間違いのないように、しっかり実績などを分析した上で、業者を決められると良いと思います。

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