リフォームコンパス

リフォーム業界の話

「どのリフォーム会社でも、頼めばやってくれる」そう思っていませんか?

リフォーム会社は、少し探してみると本当に数多く存在していることがわかります。

見積りを見てから判断すればよい、とついつい考えてしまいますが、見積りを出してもらうためにも何度も打合せを必要とする大規模なリフォームでは、その段階でリフォーム会社を見きわめようと思っても、手遅れになってしまう場合が少なくありません。

ここでは、リフォーム業界の実態に触れつつ、リフォーム会社を選ぶ際のポイントをご紹介します。

平均受注単価に見るリフォーム業界の全体像

リフォームの平均金額ってどれぐらい?

リフォーム業界全体の中で、1件あたりのリフォーム金額をデータとして見てみると、実は平均すると110万円ほどになります。
これは、「リフォーム」の中には修繕やメンテナンスなどの規模の小さなものも含まれており、部分リフォームの占める割合が圧倒的に多いということを表しています。そして、多くのリフォーム会社はそういった部分的なリフォームを数多く受注しながら運営されていますので、業界の全体的な平均受注単価が決して高くはならないのです。

部分リフォーム中心の会社に任せても大丈夫?

ところが家を全面的にリフォームする場合や、部分的なリフォームではあっても、間取りを変更する様な計画の場合には、平均単価を大きく上回る様な金額になることは容易に想像できるかと思います。数百万円といった工事はよく見られますし、中には1000万円、2000万円と建て替えに近い価格帯でのリフォームを計画されるケースもあります。そういったボリュームの工事を部分リフォームばかりを手掛ける会社に依頼をしてしまうとどうなるか、というところは、よく考えると想像できるものかもしれません。

会社ごとに管理能力には違いがあります

まず、工事についての必要とされる管理能力が異なります。
部分的なリフォーム、例えばトイレの取り替えを考えてみましょう。工程(工事を円滑に進めるための流れを示した計画)としては、既存便器や内装の撤去・内装・新規便器の取り付けといった流れになりますが、設備業者さんと内装の職人さんでほぼ工事は完結できます。条件にもよりますが、1日のうちに工事が終わることも十分できるでしょう。
こういった場合は、日ごろ使っている職人さんに手配をして、「お願いしますね」と言っておけば、ほぼ問題なく工事は終わり、お客様は満足されることでしょう。
ところが、全面リフォームの場合はそうはいきません。

工事に関わる職種は、大工さん・左官屋さん・塗装屋さん・サッシ屋さん・クロス屋さん・設備屋さん・電器屋さん・・・というように数多くの人が関わることになります。工事を適切に進めていくためには、工程の管理が欠かせず、各職に対して非常に具体的な指示を出さなければならないのです。ソロの楽曲が演奏者の裁量だけで判断されるのに対して、オーケストラでは指揮者の技量が大きく評価されるのに似ています。
バラバラに工事が進んでしまっては、決して良いものはできないのです。

提案力や技術力も大きく違う

次に、「提案力」と「技術力」の問題があります。
部分的なリフォームの場合に、求められる提案力はそれほど多い訳ではありません。例えばお風呂の取り替えを希望されている方がいたとします。その際に必要とされるのは、お客様の希望される商品についての知識や、それが既存の浴室に設置できるかを確認する技術などですが、顧客の方もそれ以上を求めていないことは多く、せいぜい「工事に多少影響するところもあるので、一緒に洗面所もリフォームしませんか?」といった提案がされるかどうか、といったところでしょう。
ところが、大規模なリフォームの場合には、間取りの変更を含めた計画の場合がよく見られます。

築後何十年か経ったお宅で、思い切ったリフォームを考えられるときには、家族構成の変化や自分たちの暮らしにあわせて家をより良くしたい、という想いをもっていらっしゃることは多く、リフォーム会社はそれに応えなければならないのです。
そのためには、設備機器の知識だけでは足りません。どの様に設備を配置すればもっと使いやすくなるのか、ご主人の趣味の部屋を確保するためにはどの様に間取りをアレンジすればよいのか、リビングをもっと広く、陽当たりの良い場所にするためにはどうすれば良いのか、このままでは将来お体を悪くされたときには使いにくいのではないか、など、そこに住む人の暮らしを理解し、これまでの実績を踏まえながら様々な提案をしてくれることが求められるのです。

構造についての技術力がある会社ばかりではない

また、構造に関する技術力も欠かせません。
木造の住宅などでは特に、間取りの変更は工事的には難しくはないのですが、安易に柱や壁を撤去してしまうと、建物の耐震性能に大きく影響してしまうことがあります。ほんの少し水まわりの配置を変えただけで、家全体の壁のバランスが崩れ、極端に耐震性能を低下させてしまうことも考えられるのです。
一般的には、「プロなんだから、当然そういったところも考慮して提案してくれているだろう」と考えがちです。ところが、顧客から「耐震には十分気をつけて計画してほしい」と言われなければ、耐震診断すらせずにリフォームをする会社がおどろくほど多いのが実態なのです。

そもそも適切な耐震診断ができるかどうかも、会社によって大きく差があります。(診断ソフトは幅広く普及しているのですが、家の条件などが適切に入力されなければ、診断結果は信用できるものにはならないのです。)

やはり大規模リフォームの実績や実力が大切

こうした観点でリフォーム業界全体を見渡してみると、大規模リフォームの実績が豊富で、しっかりとした提案や技術力に期待ができる会社というのは、かなり限られた存在であるということが容易に想像できるのではないかと思います。それぞれのリフォーム会社のホームページを見てみると、素敵な写真やイメージが掲載されていたりするのですが、リフォーム会社もホームページは専門の制作会社に依頼をしていますから、見栄えの悪いページというのは逆にあまりありません。
ホームページだけで判断することは難しく、また大規模なリフォームの実績が少なくても、過去にやったことがあるというだけで、例えば「全面リフォーム」のメニューが掲げられていたりします。

リフォーム会社の実態については、把握することが難しいというのも、リフォーム会社選びを困難にしている一因になっているのかもしれません。

大手の会社であればどこでも大丈夫?

大手リフォーム会社の実態

ここまで読んでいただくと、「それならやっぱり大手の会社に頼まなくちゃいけないな」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、大手だから手放しで安心という訳にいかないところが、大規模リフォームの難しいところです。
大手のリフォーム会社というのは、通常大手ハウスメーカーなど住宅を数多く建ててきた会社が手掛けていたり、関連の会社を作って専門に対応したりしています。そこには自社で建築した、いわゆる「OB客」がたくさんいますから、必ずそのメンテナンスを担うリフォーム部門が存在しているのです。

一方で、自社の物件については構造的な部分はもちろんのこと、豊富な実績と技術力をもちつつも、それ以外の建築物(たとえば、昔の知らない大工さんが建てた家や他社の別構造の住宅など)について、しっかりとした技術やノウハウをもっているかというと、実は会社によって大きな差がある部分でもあります。中には自社物件だけしか対応しない会社もありますし、対応可能としつつも実績が乏しい場合も見られます。つまり、大きな会社だからということで、幅広く大規模リフォームに対応できる会社と位置付けることはできない、ということを知っておく必要があります。

大規模リフォームは実は担当者によって提案が変わります

また、大手の会社独自の事情としては、そこに在籍する人の多さが挙げられます。例えば、自動車を購入しに販売店を訪れたとします。同じ車種でも複数の店舗で取り扱いがされているケースがありますから、金額はもちろんのこと、どの人が気持ち良い対応をしてくれるかということも含めて比較検討されるかもしれません。ただし、この場合にはおそらくどこで買われたとしても、間違いなく希望した自動車が自宅に届くことになるでしょう。
しかし、この点が大規模リフォームの場合には違ってきます。
リフォームの場合は、新築とも少し事情が違っており、営業担当者が設計や見積りまでこなす「技術営業」のスタイルをとっているところが一般的です。

これは、既存の住宅を取り扱うというリフォームならではの事情で、現地の確認とお客様のご要望などに的確に対応するためには、建築知識のある人間が直接対応するのが最も効率的だという判断からです。(もちろん会社ごとに違いはあります。)そして提案される間取りの設計や積算された見積りというのは、会社としてのルールや方針はもちろんありますが、むしろその担当者による提案であることが多いのです。つまり、先ほどの自動車の例と大きく違ってくるのは、提供される商品が人によって違うということなのです。

担当してくれる人によって評価が大きく変わること

そしてそこには数多くのスタッフが在籍していますので、大手といえども提案されるプランや金額的な要素などは、同じ会社の中でも異なったものになる可能性が大いにある訳です。 ハウスメーカーの場合には、やはり会社・グループの中では新築の部門が花形です。その中で成績の振るわない営業マンがリフォームに回されている場合や、中途採用で異業種から転職してきている人もいます。もちろん、新卒で採用されている人もいます。誰しもが経験を積んではじめて、生の現場知識やノウハウ、様々な提案力を身に着けていくものなのですが、それを我が家でと言われてしまうと、大きな金額を掛ける大規模リフォームにおいては、残念ながら喜ばしいものではありません。

また、建物の状況を事前にしっかりと判断し、適切な提案をされたものでない場合、現場と計画との相違や障害が発生したりすることで、トラブルにもつながります。やはり経験豊富な人により良い提案をしてもらうことが大切なのです。

いかがでしたでしょうか。
大規模リフォームにおいては、まずは部分的なものではなく、大規模リフォームの実績が豊富かどうかをよく確かめ、その中からいかに良い提案をしてくれるのか、またそれを納得のできるコストにして提示してくれるのか、というところにおいて比較検討をしていくことが、リフォームの成功に関わる重要なポイントになってきます。
比較検討の数ではなく、その中身を重視しながら判断していくことが大切だと言えるのです。

リフォームコンパスの考えるご紹介

さまざまなサービスでサポートいたします