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マンションの全面リフォームで気をつけたいこと

マンションの全面リフォームで気をつけたいこと

マンションの全面リフォームを考える際に、気をつけておきたい項目がいくつかありますので、お話ししておきたいと思います。
戸建てのリフォームとの違いもありますので、会社選びの際に特に気をつけていただくと良いかもしれません。


まず、大きな違いとしては、建物を所有される範囲が異なることが挙げられます。
戸建て住宅を所有されている場合、土地はまた別の扱いとはなるものの、建物はその方もしくはご家族などで所有権をもっていることになります。
つまり、リフォームをする場合には、自由に進めていくことができるケースがほとんどです。
ところが、マンションの場合にはこの所有権そのものが異なります。
区分所有権と呼ばれますが、マンション全体の中で共有部分(エントランスやエレベーター、階段や共用廊下など)とされる部分については、管理組合が修繕計画をまとめ、定期的に実施されることになり、これは大規模修繕と一般的に呼ばれます。また、個別の各住戸については専有部分と呼ばれ、この部分についてのみ、自己の判断でリフォームをすることができるということになります。

ただし、それぞれのマンションでは、管理規約に基づいて計画できる内容に制限があることがほとんどです。
具体的な話としては、使用できる床材の種類(防音等級の制限)や内装部材などの制限が設けられていることがあり、多くのケースでは事前に管理組合に対して計画の承認を得なければならないことになっているのです。
もちろん個人の資産に関するところなので、何もかも口出しされるということではないのですが、特に音の問題が発生しやすいマンション特有の条件として、床材が自由に選べない可能性があるということは、事前に知っておいた方が良いでしょう。また、一般的に認識されていることは少ないかもしれませんが、外壁との関連があるサッシやガラスも共有部となっていますので、勝手にサッシを変えたり、玄関ドアを変えたりすることは通常できません。

では、共有部と専有部が分かれることで、具体的に何が変わってくるのか、という話になりますが、計画の仕方はもちろんのこと、工事の進め方などにも影響が出てくることになります。
まず、管理組合の承認を得るためには、着工する前(組合により規定は異なります)に管理組合に申請をしなければならず、工事内容を届け出なければならないことになります。1ヶ月前には申請が必要、というケースもありますので、その時点ではリフォーム会社・計画内容共に確定している状況にないといけないということになります。スケジュールに大きく影響しますので、工事時期に希望がある場合などは特に、意識しながら打合せをスタートしなければなりません。

また、工事に直接関わらない部分でありながら、共有部分についての養生(傷つかない様に保護すること)も計画しておく必要があります。
例えばエレベーターからの距離が長い場合など、管理組合によっては部屋までのルート全ての養生を求められることもありますので、自宅の工事以外にも養生費用がかさんでしまうことも考えられます。実際に工事を始めてから周囲に指摘されるよりも、事前にそういった確認や調整をした上で計画を進めた方が良いに決まっているのですが、マンションに慣れていない会社に頼んでしまうと、それもトラブルの要因になったりすることがあるのです。

駐車場の問題もマンションではよりクローズアップされるポイントです。
リフォームの工事中は、かなりの数の車両が出入りします。工事に入ってくれる職人さんの車はもちろんですが、撤去された解体資材・壁の下地に使うボードや木材などの建築資材、お風呂やキッチンなどの大型の設備機器など、搬出・搬入ともに何台もの車が出入りすることになる訳です。ところが、マンションごとに駐車場事情は異なり、工事用の車両スペースがしっかり確保できているところばかりではありません。そういった場合に、近隣の駐車場を確保しながら進めていくのか、コインパーキングなどを利用しながらになるのか、また資材の搬出入をどの様に計画するかなど、リフォーム会社には対応力が求められるのですが、リフォームの打合せ時点では話題にも出ないこともあったりします。もちろん、リフォーム会社側ですべてを把握できる内容ではないので、あくまでも相談しながらになるのですが、リフォームの見積書には記載されないことも多い事柄でもありますので、気をつけておきたいポイントです。
また、先ほどの大規模修繕のタイミングと重なってしまうと、搬出入はより複雑になります。大規模修繕時には、外部足場を組んだ大きな工事が入ることも多く、車両の件を考えると時期はずらして計画した方が良いかもしれません。

ここまでは工事全体についてマンションならではの事情についてお話しさせていただきましたが、個別の部屋内部の計画についても、マンション特有のポイントがありますので、触れておきたいと思います。
マンションの全面リフォームの場合には、間取り変更を含めて計画されることも多くなります。
特に長年使った上で計画されるリフォームの場合には、水まわりの不便さや家族構成の変化などで、そういった点も含めて改善をしていきたいと考えられることがあるかと思うのですが、マンションの場合には好き勝手に水まわりの位置を変更することはできません。

これは少し専門的な話になってしまうのですが、マンションの特に排水の配管というのは、上階から地上へと縦に長い排水管が設置されており、そこに各戸の排水を接続させるという形になっていることがほとんどです。水道の給水管の方は、水圧が掛けられているために比較的自由に位置を変更することができるのですが、キッチンやお風呂・トイレから流される排水の方は、配管に設けられた勾配によって自然に流れる様に設計されています。つまり、縦に設置された共有の配管自体は位置を変えることが全くできないものですので、水勾配を設けながら接続のできる範囲でしか、水まわりの移動ができないということなのです。戸建ての場合にはこの縦方向に流す配管位置も変更できたりしますから、きちんと用意さえしてあげれば問題にはならないのですが、マンションの場合には、排水が自然に流れる様に高さも含めた設計がされていないと、水の流れが悪くなって詰まりやすくなったり、溜まり水ができて臭いが残ったりすることになります。昨今マンションでは特に、当然のようにバリアフリーを求められることが多くなっていますから、使いやすさはもちろんのこと、的確に設計をしていく技術力が必要となるのです。

また、設計に関して付け加えると、戸建て住宅に比べると「高さ」に関しての計画や設計力が必要となる点も挙げられます。
戸建て住宅との大きな違いとしては、構造躯体と呼ばれる部分を触ることができない点があるのですが、マンションには柱や梁が必ず出ているところがあります。特に梁は天井部分に水平に入っているものなのですが、高さがまちまちになりますので、建具と干渉するケースが多く発生するのです。最近のドアやクローゼット扉は比較的高さの高いものが多くなっていますが、場所によって梁の高さと床の高さを把握して選定をしておかないと、商品が入って来てから取り付けができないことが判明したりしかねません。入荷されてから現場でそれが判明しても、そこから特注寸法での再発注などをすると、平気で2週間以上掛かってしまうことがありますから、その間現場は止まってしまうことすらある訳です。通常、工事前のプランの打合せは平面図上でおこなわれますから、お客様の方でそのことに気づくことはほぼ不可能だと思います。人が行うことにミスは必ずつきものではあるのですが、最小限に止めてもらうためには、やはり技術力ある会社に相談することが必要だと言えるでしょう。

そいうった観点からも、リフォーム会社選びはとても大切な要素となるのですが、その一方でマンションリフォームは構造を触らないというその特性から、参入している会社も多いという背景があります。もちろん、実績が豊富な会社もたくさんあるのですが、単に新しくするだけの内装工事ばかりを手掛けている会社も存在しています。計画するリフォームの内容によって、求められる会社の実力にも当然差が出てくるのですが、特に間取り変更を計画する場合や、水まわりも含めた全面的なリフォームの場合には、実績が豊富で実力のある会社に相談をすることが大切な要素になってくるかと思います。

リフォームコンパスでは、ご計画にあわせた実力・実績のある会社を、担当者を指名する形でご紹介していますので、まずはお気軽にご相談をいただけたらと思います。

 

Kousuke Kitamura

 

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