大規模リフォーム 比較検討の重要性
リフォームの見積りを依頼するのに、「比較検討をするべき」とよく言われます。
では、なぜ比較検討をしなければならないのでしょうか?
また1社だけで打合せを進めると、どういうデメリットが考えられるのでしょうか?
比較検討が必要な理由
特に大規模リフォームにおいて比較検討をしなければならない理由は、次のようなものが挙げられます。
会社によって提案内容が異なることが多い
単純な商品の購入ということであれば、価格の比較が主な目的となるため、
例えば1社のみであったとしても納得感さえあれば無理に比較する必要はないかもしれません。
ただし大規模リフォームの場合はこれが全く異なります。
例えば同じように要望を3つの会社に伝えたとしても、
出てくる提案プランが全く異なって驚くというケースも頻繁に起こります。
というのも、工事内容が一つに限らない計画の場合、
予算に対するお客様の優先順位や、お客様の口から語られることのない「提案」要素の強いリフォーム内容など、
会社やその担当者ごとに判断が分かれるためです。
そもそも提案内容が異なり、それに基づいて作成された見積書というのは、
価格のみでの比較はできません。
むしろその分、価格以外の面でもじっくりと比較検討をしていくことが必要になるのです。
検討の幅が広がる
リフォーム会社によって提案内容が異なる、という話をしましたが、
それは決して悪いことではありません。
というのも、様々な角度から提案されることにより、
顧客自身にとっても検討の幅が広がることになるからです。
建築経験のない一般の人が「こうしたい」と要望を伝えたものが必ずしも最適ということはなく、
プロの目線で「もっとこんなことができますよ」と具体的に提案されることで、
検討を深めることができるのです。
もちろん結果的に最初に要望した通りになった、ということもありますが、
逆にリフォーム後に「もっとこうしたらよかった」と後悔するのはよくありません。
そういう意味でも比較検討のプロセスは非常に重要になります。
会社によって見解が異なることも多い
提案内容以外にも会社ごとに見解が異なるケースがよく見られます。
これらは施工実績や技術力、会社の施工基準によるものなど様々な要素があるのですが、
会社ごとの違いに驚かれるお客様も多くいらっしゃいます。
リフォーム会社は「嘘をつく」という感覚ではなくとも、
会社の規律や個人の経験によってお客様に説明を行います。
そのため当然判断が分かれることも多い訳ですが、
そういった際にも比較検討が重要になります。
一つの計画内容について、「なぜできないと考えるのか?」あるいは
「できないと言っているところがあるが、なぜ御社はできるのか?」というように
双方に投げかけることでより客観的な目線での判断ができるようになります。
どういった会社を比較検討すべきなのか
とはいえ、闇雲に声を掛ければ良いということではありません。
特に部分的なリフォームになるのか、大規模リフォームになるのか、
さらには専門性の高いリフォームなのかどうか、といったところで
比較検討に加えるべき会社は大きく異なってきます。
自分の思うリフォームの内容についてまず考える
部分リフォーム、あるいは単純な工事なのか
部材の取り替えや修理、単純な内装のやり替えなどは工事的な難しさはあまりありません。
設備機器の取り替えの場合でも、位置変更がなければ難易度は低く、
部分リフォームと考えて良いでしょう。
そのため、リフォーム会社にはレスポンスの良さや金額的な比較などが中心となります。
家から近いかどうか、施工件数、価格帯などをあらかじめ調べてみたり、
見積り比較サイトなどを利用して一斉に見積りを依頼するということも合理的になります。
大規模なリフォーム、提案が欲しい、どう進めて良いかわからない
部分的な工事やその内容が分かりやすい工事とは異なり、
工事範囲が家全般に及んだり、リフォーム会社から色々と提案をしてもらうことが必要な場合、
またそもそもできるのかどうかもわからないケースや、進め方も悩むような場合は、
概ね「大規模リフォーム」と考えてよいでしょう。
候補となる会社には、技術力や提案力が特に重視される形となるため、
あくまでも大規模リフォームの実績があるかどうかが特に大切になってきます。
また、会社の実力同様に担当者の力量も大いに問われることになるため、
候補の会社を選ぶ際には非常に慎重に考える必要があり、
安易に資料請求をしてしまうと新人が担当についてしまうようなリスクがあります。
会社へのアプローチ方法にも注意が必要になります。
専門性の高い工事
工事内容が特殊になる場合、一般的なリフォーム会社には対応できないケースがあります。
その場合の候補はさらに限定的となり、専門性の高い会社を見つける必要があります。
例えば、
・非木造建物の耐震補強工事や構造変更を行う工事
・建物以外の地盤などの土木工事や規模の大きな外構工事
・一般に調達が難しい素材や建材を使った工事
・室内での楽器利用など特殊な利用環境を想定した防音工事
・厨房機器を入れる店舗や工場
などが該当します。
中にはゼネコンと呼ばれる総合建築会社や
構造設計専門の設計事務所などへの相談が必要になる場合があります。
1社のみのデメリットは?また比較検討の数は?
比較検討が必要な理由やその内容について触れてきましたが、
それでは1社だけで検討するとどのようなデメリットがあるのでしょうか?
高いのか安いのかがそもそも分からない
リフォームのみならず建築の見積書は本来非常に項目が多岐に渡り、
建築知識のない一般の人にとっては非常に難しいものになります。
逆に内容が簡素で「一式」表記が多用された見積りにはその根拠が乏しく、
後々にトラブルになる可能性が非常に高くなります。
高いのか安いのかを判断するのはもちろん、
1社の見積りだけで適正かどうかを判断することは非常に難しいでしょう。
提案された内容が適切かどうか判断できない
工事がシンプルな場合には金額の比較が中心になると思われますが、
規模が大きくなってきた場合、そもそもその提案内容が適正なものなのか、
我が家に合ったものになっているのかどうか、についても判断が必要となります。
比較対象がない場合には、やはり自身で全てを見きわめなくてはならず、非常に難しくなります。
建築工事は金額も大きなものになるため、決断のタイミングで大いに迷うことが予想されます。
最適な比較検討の数について
中には比較検討の数は多ければ多いほどいいのではないか?と思われる方がいらっしゃるかもしれません。
ただし大規模リフォームの場合には、見積書が出てくるまでに
それぞれの会社と何度も打合せを重ねて工事内容を決めていくプロセスが必要となります。
あまり数が多すぎると、各社との打合せ内容が希薄なものとなり、
本質的な「比較」ができなくなってしまう恐れがあるのです。
また、打合せ内容が多岐に渡るため、
どこの会社がどういった説明をしていたのか、何を話していたのかを記憶することは難しく、
判断を誤ってしまう可能性や、打合せそのものに疲弊してしまう恐れがあります。
そういう意味では、3〜4社同時進行で打合せを進めていくのが理想的かと思われます。
もちろん人によっては仕事が忙しく時間が取れない、ということもあるかと思いますが、
大規模リフォームは度々計画するようなものではありません。
できればしっかり時間を確保して、将来の住まいについてじっくりと考える時間を持ちたいところです。
「比較だけなら2社あれば良いのではないか?」
もちろんそういうお声もあるでしょう。
これは経験上の話となりますが、1つの会社が非常に高い見積りを出してきた一方で、
もう一つの会社が驚くほど安い見積書になっていた場合、
どちらが正しいのかと悩んでしまい、判断がとても難しくなってしまうケースがあります。
3社、4社で比較する場合には、より多くの考え方を聞くことができ、
自分の考えに合った計画やその工事ボリュームを判断しやすくなります。
また複数の会社の提案の中から基準ができることで、
見積りそのものについてもそれぞれの会社に修正依頼をすることができるメリットもあります。
見積書が提示されると、つい顧客側としてはそれに対してYESかNOかの選択を迫られている気になりますが、
実はそんなことはありません。
見積書についても何度か修正をすることもできますので、
積極的に質問をしたり変更を依頼したりすることで、
そのプロセスの中から、それぞれの会社の提案の本質や会社ごとの姿勢などの違いも見えてきたりするのです。
大切なのは金額の比較だけではないということ。
見積書提示された段階ではまだ修正ができる、という話になりましたが、
それでは何をもって判断すべきなのでしょうか?
実はそこには大規模リフォームならではの要素が出てきます。
例えばなんでも良いのですが、住宅以外の少し高級な商品を購入することをイメージしてみましょう。
車や家具・家電、時計やブランド品など、値段の高いものはいくつもありますが、
顧客が見るのはその商品であり、
「どこが作っているか」はよく見ていても、誰から買うかを気にする人は少数派です。
ところが、リフォームを含めた建築の世界では、
会社の担当者と相談を重ねて一緒に作っていく、ということを契約するのであり、
単なる商品を購入するのとは全くプロセスが異なります。
そのため、顧客の「想い」や「気持ち」をどれだけ理解してくれるかが非常に重要になります。
つまり、そこに安心感を覚える会社や担当者だった場合、
金額も納得がいくところまでコストダウンの提案をしてくれたり、
一緒に優先順位を考えてくれたりして、最終的に決断できるところにまで調整してくれる可能性がある訳です。
要するに、家づくりのパートナー選びの視点で比較検討をすることが重要になるのです。
部分的なリフォームは別として、
大規模リフォームを何度も繰り返している方はほぼいらっしゃいません。
その進め方や判断の基準が一般的な買い物とは全く異なるため、
戸惑いを感じられる方も多いのではないかと思います。
ですが、より良い会社・担当者と出会えた方は、
自身では想像できなかった暮らしの変化や満足感を手に入れられているのも、
大規模リフォームならではなのではないかと思います。
ぜひじっくりと打合せを進めながら、素敵な暮らしを実現していただけたらと思います。
Copyright © Reform Compass All rights reserved.



