リフォームコンパス

古民家での屋根の重さについて

古民家の全面リフォームを計画するような場合に、必ずと言っていいほど問題になるポイントがあります。
それは、「耐震性能を高める」という課題です。

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築年数の古くなった建物というのは、通常現在の壁を中心とした耐震診断での基準をまったく満たしておらず、
大きな地震が来たら「倒壊してしまう可能性が高い」と判断される場合が多くなっています。

具体的には、昭和56年に新耐震基準が設けられ、それ以降の建物は基本的に
この基準に準じた形になっているのですが、
築50年をゆうに超えるような古民家の場合、その当時に耐震基準とされるものすら存在していなかったのです。

つまり、「古民家」と呼ばれる家のほとんどが現在の耐震基準を満たしていない、と考えても過言ではありません。
但し、伝統的工法で建てられた古民家が、現在の基準で耐震性を図れるのかどうかの見解もあります。

ところが、やはり家族が住む以上、地震に対する備えができていないというのは非常に不安です。
そこで、大きく問題になるのが屋根瓦について、です。

和風の古民家らしい外観を活かそうとした場合、やはりそこで使用される屋根材は和瓦ということになるでしょう。
(現代的にアレンジするようなケースの場合は、もちろん他の屋根材の選択肢もあります。)
本来和瓦というものは、屋根の上に土を乗せ、そこに瓦を葺いていく形になっていました。

立派に葺かれた屋根ほど土が多く乗せられていることもあり、
屋根の荷重だけで85~110kg/㎡の負担があると言われています。

ところが、この重量が建物の耐震性にとってはマイナス要因となってきます。
耐震診断をする際には、建物の重量がどうか、という点も考慮しなければならず
当然重ければ重いほど、「耐震」という意味においては不利になってきます。

極力古民家の佇まいを活かしながらのリフォームを考えようとする場合には
むやみと壁を増やすこともできず、結果的により悪い診断結果へとつながってしまうのです。

つまり、古民家で耐震補強を検討するとなると、まずは屋根の軽量化
具体的には屋根の土を降ろすところから考えなければならないといえるでしょう。

土葺きの和瓦から釘打ちの和瓦に変えた場合、45~47kg/㎡まで軽量化することができます。
それと同時に金物や耐力壁の導入による耐震補強、
あるいは建物の揺れそのものを制御して倒壊を防ぐ、制震補強等を導入することで
家の耐震性を高めていくことができるのです。

古民家は比較的規模の大きなお宅が多く、建物全体の補強を行うとなると費用も大きくなってくる傾向があります。
ただし、その歴史も含め、先祖から受け継いできた大切な財産でもあるでしょう。

神社・仏閣を思い浮かべると分かることですが、
日本で古い建物はといえばすべて木造の建築物です。

大きな大黒柱、張り巡らされた重厚な梁や差鴨居、小屋裏の巨大な登り梁など
今ではなかなか手に入らない部材ばかりです。
しっかりと補強を検討して、未来へと受け継いでいきたいところではないでしょうか。

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