全面リフォーム 要望を伝えるだけではダメ
全面リフォーム 要望を伝えるだけではダメ
家の全面リフォームを計画するときに、
まず最初にすべきことは要望を正しくまとめることです。
「正しく」とあえて書いたことには理由があります。
単に要望事項を伝えるだけでは、実は良いリフォームにならない可能性があるからです。
全面リフォームというのは、概ねそこに2つの意味を持っています。
1つ目は建物の劣化などを修理したり取り替えたり、再生させるというもの。
そしてもう1つは、生活スタイルに合わせて暮らしを改善させるものになります。
多くのケースではそのどちらも目的としていることがあるため、
混同されていることが多いように思います。
建物の修繕的な部分というのは、業者さんに家を調査してもらえば、
必然的に悪いところ、直さなくてはならないところが明確になるため、
自分が取り替えたいという部分と合わせて計画はスムーズに決まると言えます。
一方で、暮らしを改善させるという方法については、
人、家庭ごとにそれぞれ違います。
皆、同じ価値観であるはずもなく、幸せのカタチというものはさまざまなものがあるのです。
しかし一般的には最初の相談の際には、
ほとんどの方が自身の要望を伝えられます。
「キッチンを対面のものに取り替えたい」
「和室を洋室に変更したい」
自分の中で考えるリフォームの姿を「要望」として伝えている訳です。
ところが、その要望がそのままリフォーム会社の手によって図面として出てきても、
思いの外不満や違和感を感じられることも多いのです。
そしてそれは明確に意識はされないまでも、
「自分達家族のことをあまり理解してくれていない」ところから来ています。
というのも、部分的なリフォームでない限り多くの人は、
自分の要望を本当の意味で理解してもらい、そこからより良い提案を求めている
という背景があるからなのです。
本来要望には、必ずそのきっかけがあります。
例えば、生活をしている中での不満や不安が原因になっていることもありますし、
困っていることや日常生活でのストレスから、
リフォームをしたら解決できるのではないか、と無意識に考えているのです。
そしてそのためにこうしたら解決できそうだ、と自分自身で考えついた解決策が、
いわゆる「要望」の姿になっている訳です。
そういった場合、多くのお客様は自分がプロではないことを認識しています。
そのため、どこかで本当にこれでいいんだろうか?という思いもあり、
要望に決定的な自信がある訳ではありません。
それがプロに伝えたつもりなのに、そのままの形で出てくると、
「本当に我が家のことを考えてくれているのだろうか?」
という思い湧いてきても不思議ではありません。
より良い提案をしてもらうためには、
要望についての理由や経緯、またそもそもの暮らし方についてや、
リフォームを考えるに至った想いなどもしっかりと相手に伝えておくことが重要になります。
多くの方は全面リフォームのような大規模なリフォームはそう何度も経験されません。
そのため、何をどのように伝えたら良いのか分からない方が普通だったりします。
ですので本来であれば、リフォーム会社の方がそれをじっくりとヒアリングして、
そのご家族の暮らしや考え方、想いなどをできるだけ理解して共感し、
その上でお客様と一緒になって家づくりをしていくようなスキルが求められます。
ただ残念なことに現実にはそこまでの業者さん、というより担当者に
出会うことがなかなかありません。
そのため、自分たちの思い描く以上のリフォームを形として提案してもらうためには、
自分の方から、経緯や暮らし方、家や家族に対する想いなどを積極的に語られると良いと思います。
そういう意味で、全面リフォームを考え始めたら、
要望をまとめることよりも、なぜ今回のリフォームを考えたのか?
どんな経緯で今に至ったのか、
要望として考えることの理由はどこにあるのか、
いつ頃からそれを考えているのか、
暮らしの中で重要な部分は何か、
自分たちが感じる心地の良い時間とはどういったものか、
などを事前に整理しておくことをお勧めします。
ある雑誌のアンケートによると、
これから業者を探すというタイミングの方の不安としては、
「金額の妥当性」が最上位に来るそうですが、
工事が完成して良かったと思う方の一番の理由は、
金額が安かったことではなく、
「自分たちのことを理解してくれた担当者に出会えた」ことだそうです。
全面リフォームでは色々なことが起こります。
その都度リフォーム会社と相談しながら進めていくことが必要になるのですが、
自分たちのことを理解してくれているかどうか、という視点は
業者の決定時点だけの問題ではなく、計画全体を通じて非常に大切な要素になってくるのです。
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